ケイティは病院の廊下を案内してくれるオオカミの後ろをついていった。頭上の照明が穏やかな音を発し、壁に移ろいゆく影を落としている。オオカミは明確な方向感覚を持ち、まるで自分がどこへ行くのかを正確に知っているかのように、目的を持って動いていた。ケイティの心臓は高鳴り、興奮と好奇心が交錯した。
やがてオオカミは彼女を病院から連れ出し、周囲の森へと入っていった。緊迫した雰囲気が二人を包み、葉のざわめきや遠くで鳴くフクロウの声がより強く響いた。月明かりが森に謎めいた、少し不気味な輝きを投げかけていた。ケイティは、謎と不安の高まりにもかかわらず、オオカミを信じざるを得ない気持ちになった。