87.ダンピング
「ジャックは「1カ月ほど前に捨てられたに違いない。誰かが欲しがらなかったんだ」。捨てられた被害者であることが明らかになり、彼の森で生き延びようと奮闘している鳥たちに、ジャックは心を痛めた。他に逃げ場がなかったのだ。動物を捨てるという行為に、ジャックは倫理的な疑問を抱いた。
トウモロコシ畑を歩き回り、時には飼い猫と小競り合いをする母鳥を見て、ジャックは自分が介入しなければ、この鳥たちは自由に行動できるのだと悟った。思いがけず自分の肩にのしかかった責任に、ジャックはため息をついた。