#4 キャリー

スティーヴン・キングは善と悪の戦いを深く掘り下げる物語を紡ぐ才能を持ち、『キャリー』は彼の最も象徴的な作品の一つだ。1974年に初出版されたこの小説は、いじめと狂信的に厳しい母親との葛藤が胸を締め付けつつも恐怖を誘う、内気で孤立した十代の少女キャリー・ホワイトを読者に紹介した。彼女のキャラクターは、疎外感や居心地の悪さ、痛ましいほどの誤解を経験した者なら誰の心に響く。
1976年の映画化作品(主演:シシー・スペイセク)は文化現象となった。スペイセクの不気味な演技は、観客にキャリーへの同情を抱かせた後、あの悪名高いプロムナイトでの復讐への転落に恐怖を感じさせた。その後もキャリーは何度も再解釈され、2013年にはクロエ・グレース・モレッツ主演のリメイク版が製作されるなど、この物語が今も強い共感を呼んでいることを証明している。キャリー・ホワイトは悲劇的な人物として、また残酷さの破滅的な結果を示す戒めとして、今も語り継がれている。