抗議
犬の不快感は、デイジーの揺るぎない姿勢に起因していた。彼は決められたルートを行ったり来たりし、断固として近づこうとせず、不満げな表情さえ浮かべた。デイジーは穏やかな口調で声をかけ、平静を装った。しばらくすると、デイジーの忍耐が微妙なきっかけとなり、犬の不安は徐々に和らいでいった。反抗的だった犬の態度も、デイジーのなだめるような存在感の前では落ち着きを失い、微妙に考え直す兆しを見せ始めた。やがてデイジーは、ためらいながらも慎重に一歩、二歩と歩みを進めた。少しずつ前進するたびに、デイジーの心は安堵と楽観の入り混じった気持ちで膨らんでいった。この犬の旅は、信頼と仲間との絆、そして思いやりと温もりに満ちた新しい家庭へと続く、ほんの始まりに過ぎないという希望に満ちていた。