大富豪の財布を返却した少年が泣き出す

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第4のハードル

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マラカイがようやく工事現場を出ると、見慣れない路地や曲がりくねった裏通りが入り組んでいた。そびえ立つビルも狭い通路もみな同じように見え、どの方向が街につながっているのかわからない。パニックの波が押し寄せてきたが、彼は無理に冷静になろうとした。慌てても何も始まらない。深呼吸をして周囲を見渡し、幹線道路や見覚えのある目印がないか探した。街は近くにあるはずだ。自分を奮い立たせ、混乱した中でも自分の進むべき道を見つけようと決心した。

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